【推薦曲】メロディーア・デル・リオ/ルベーン・ゴンサーレス
Melodía del Rio / Rubén González
メロディーア・デル・リオ(川のメロディー)
/ルベーン・ゴンサーレス
◆この季節になると、キューバが恋しくなる。
ハバナからマタンサス、サンタ・クララ、カマグエイ、オルギン、マヤリを経てグアンタナモ、サンティアゴ・デ・クーバへと続くバスの旅は、もう、何もかもが嫌になるほどキューバを“満喫”できる。延々と続くさほど変化のない車窓の景色に耐えて目的地にたどり着くためには、セニョリータが隣の席にいることが必須条件だ。
経験から言って、男どうしの旅だと罵り合いから殴り合い、ひとり旅なら深い孤独の世界に落ち込むことになりかねないのでお薦めできない。人それぞれだから断定はできないが、余りある時間の中では十中八九はそんなところである。長旅は人間性を変えてしまうのだ。
さて、冗談はともかく、今回は以前採り上げたキューバのピアニスト、ルベーン・ゴンサーレス作品の再掲である。

◆ゴンサーレスは、キューバン・ミュージックに多大な功績を残した偉大なピアニストであった。1919年、キューバのサンタ・クララに生まれ、医者をこころざしたが、家庭の経済的事情から音楽の道に進んだ。
15歳のとき音楽院を首席で卒業。その後ハバナに移り、ピアニストとして活動を開始。以後、1980年代後半まで数々のオーケストラやバンドで活躍。現役を退いてのち、1996年にブエナ・ヴィスタ・ソシアル・クラブが結成されるまでまったく音楽から離れた生活を送った。やがて、ブエナ・ヴィスタでの6年にわたるピアニスト活動のあと、惜しまれながら2003年12月、ハバナで86歳の生涯を閉じた。
◆ゴンサーレスが生まれ育ったサンタ・クララはハバナの東方290キロに位置するラス・ビリヤス地方にあり、南にはシエラ・デ・レスカンブライが聳えている。これはトリニダード・サンクティ・スピリトゥスの高地とも呼ばれ、1,000メートル以上の山々が80キロ以上も続いている。
狭まった谷あいを縫って川が流れ、いくつかの川には美しい滝も出来ている。海岸線の傾斜面にはコーヒーが栽培され、谷あいにはタバコや砂糖きびも作られている。サンタ・クララを中心にして北部にはハティバニコ川、サグア・ラ・グランデ川が流れ、その景観は絵のように美しい。

◆この曲は、ゴンサーレス自身が子供の頃に見た美しい風景にインスパイアされて創られたものではないかと推察される。ゴンサーレスの数あるオリジナルの中でも、めずらしくスウィーティな曲である。
落ち着いたルンバのリズムにシンクロしたゴンサーレスのピアノが実に心地よく、サンタ・クララの田舎の美しい風景が走馬灯のごとく浮かんでくるようだ。(Fin)

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